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バカの壁~外国語学習編~

高校の時、twoやtoを「ツー」と読んでいる同級生がいた。

中学生ならまだしも、比較的進学校の英語の授業においてである。周りの生徒たちはCDの完コピを目指して「トゥー」と読んでいる中、そいつはかたくなに「ツー」と読んでいた。

 

ワテはこの事象について以前から腹に据えかねたものがあり、モヤモヤしていたのだが、最近某下世話雑誌を読んでいてこれは一種のバカの壁なのだとの認識に至った。

以下はそのページである。

 

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toは「ツー」と読むのだ、と決めつけてそこから精神的な進歩がないと絶対にその他の発音も改善しないし、適切な文法や語彙の使用もできない。上の記事にあるように「もうこんなもんでええやろ」と無意識に世界の認識の向上を放棄している一端が見えているわけだ。

 

 

これはスペイン語においても同じで、N●Kラジオ講座の講師に多いのだが、siの発音を(英語のsheのように)「シー」と呼んでいるのだ。まだ、全ての発音をそう読むならわかる。しかし、スペインのスペイン語の特徴であるc, zを英語で言うthの発音で読むことには留意するのに、siだけをかたくなに「シー」と読むのは、バカの壁以外のなんであろうか。

 

 

ちなみに完璧な発音以外認めないと言っているわけではない。ワテだって完璧な発音には程遠い。明らかに相対的難易度の低い発音矯正を怠るというその精神性を批判しているのだ。

 

 

この「シー」という間抜けで不誠実な態度からは、小中学校くらいまでにあった、真面目に発音している奴は恥ずかしいというような空気すら感じる。これは特に沖縄で顕著で、勉強を頑張っていると「マーメー」(真面目)と馬鹿にされるらしい。学校の勉強が人生にとって素晴らしいものであるとは言わないが、彼らのこういった態度は少なくともそんなことを主張しているわけもなく、ただ他人が自分の手の届かない領域に行こうとしているのを足を引っ張って邪魔しているだけである。

 

 

 

 

ちなみに以前からオススメしているスペイン語参考書の「スペイン語会話 クイックレファレンス」(第三書房)の中で、スペインの母語話者がposibleを「ポスィブレ」でなく「ポシブレ」と読んでいる箇所がある。恐らく噛んだだけなのだろうが、参考書収録なのに撮りなおさないのか、これはいったいどうしたことかと、義憤に駆られてネイティブに確認した。

 

 

音声はこれ。(17秒あたり)(よく聞くとasí queも「アシケ」と言っているように聞こえる)


 

しかしてその実態は。

なんとこれは英語でいうthの音になっているらしい。基本的にスペインのスペイン語でもsはsの発音なのだが。よくわからないが、方言、個人差、過剰矯正あたりが原因ではないかと思う。

(しかし何回聞いてもthには聞こえない。手持ちの文法書によればスペイン語と英語のth音に差はないとのことだが、これは今後も要研究である。「何を偉そうなことを言ってやがる。テメエの聞き取りが悪いだけだろう」という指摘は甘んじて受ける)

 

 

レヴィストロースかウィトゲンシュタインソシュールが言っていたが、この世界は言語で構成されている。よって、自分の中に構築された言語によって世界も変化するのである(どんな世界があろうと、それを認識する時は自分のフィルターを通さざるを得ない)。言語に関して多くの、そして有利な情報を持っていれば外国語習得はもっと簡単になるはずである。このあたりは今後研究を進めて共有したい。

 

 

ちなみに偉そうに高いところから主張しているワテにも必ず心理的盲点は発生している。これをはずすには常に高すぎるほどの目標を設定して、情報を吸収し続けて、現状にとどまり続けないようにするしかない。「シー」は気になるがN●Kラジオもいい勉強になるのは事実だ。文句を言いつつも一勉強手段として今後も使わせていただくのでよろしく。